■このエントリの概要
テイ・トウワ(以下TT)が'03年(*1)にリリースした、非売品のサイドワーク集CD-R(*2)
『Arbeit: Selected Outside Works 1990-2001』(*3)の内容を、一般家庭でどこまで再現できるかを考察してみました(*4)。
▲『Arbeit: Selected Outside Works 1990-2001』('03)
*1) 年号は上記Discogsページによる。
*2) Discogs上では「CD」となっているが、'19年のフリーペーパー『号外』ではTT本人がCD-Rである旨を語っている。とりあえず本稿では本人の言を優先してCD-Rとしておく。
*3) '19年に、コロムビアから
『Arbeit』というCDが一般販売されている。
▲『Arbeit』('19)
'19年版CDも、'03年版CD-Rも、同じ『Arbeit』のタイトルが冠されたTTサイドワーク集であるが、内容は異なる(後述の通り、曲目の重複は一部あり)。本稿では、'19年版CDと'03年版CD-Rをそれぞれ別のものとして扱う。
ちなみに本日2024/11/6は、'19年版『Arbeit』の発売から
ぴったり5周年です。
*4) 筆者はこのCD-Rを所有していない。どなたか2000円くらいで売ってください。
∴
以下、'03年版『Arbeit』の全曲をリストアップし、各収録曲ごとの入手可能性なんかについて考えてみたりする。'03年版『Arbeit』の曲目は、上記のDiscogsのページを参照した。
■1 SRATM – Alignments (The Theme From Akashic Radio Show) 1:19
おい、のっけからややこしいのが出たぞ…。これは、'11年に出たSRATM(Sweet Robots Against The Machineね。念のため)のダウンロード販売シングル
「Alignment EP」の1曲目だと思う。同EPのジャケに、尺は1:22と記されてるので、長さからいうとこれで合ってるでしょう。このEP、いまはもう買えないっぽい。
ちなみに、
ジャケに堂々と誤植があります。笑
■2 Hajime Tachibana – Bambi (US Version) 4:31
立花ハジメの「バンビ」はわかる。でも「US Version」ってなんだ?
──この謎については、三年前に
当ブログで考察しました。令和6年現在、普通に日本で暮らしてたら、まあ日常の中ではまず出くわさない
『Consider This』という'92年のアメリカのコンピに入っているバージョンだと考えられます。尺の秒数も近い。
『Consider This』の「バンビ」は、トラック冒頭に詩の朗読があって、00:24ぐらいから曲が始まります。'03年版『Arbeit』に収録されてるのもおそらくこれじゃないかなあ、と思うなどしております。
■3 Benjamin Biolay – Les Cerfs Volants 4:40
'19年版の『Arbeit』に収録。
■4 A.T.C.Q – Find A Way 3:21
「テクノヴァ」がサンプリングされた曲ですね。ア・トライブ・コールド・クエストの'98年作で、収録アルバムは
『The Love Movement』、
シングルカットもされたよ、っていう説明で合ってるよね?(←ヒップホップにうといのです、すいません)
■5 Chara – Atashi Wa Koko Yo 3:32
■6 Koizumi Kyoko – Drive 4:35
■7 Scha Dara Parr – More Fun-Key-Word 4:53
三曲とも'19年の『Arbeit』に収録。
あれ? 「Drive」の尺が、'03年版だと4:35なのに、'19年版だと4:17になってる。後者はイントロの、リズムとナレーションだけの部分がカットされてる。
オリジナルの曲をDiscogsで確認すると、尺が4:36となってるので、'03年版はおそらくイントロ部分を含んでるんだろう。
あと、細かいけど、この曲って、厳密には小泉今日子じゃなくて
KOIZUMIX PRODUCTION名義の曲だと思う。すいません、ほんとに細かくて。
スチャダラのリミックスはロボ宙の声がズタズタに加工されてかわいそうなので、ロボ宙の声を復元したバージョンを個人的に作ったことがある(が、ハードディスクが壊れてデータがなくなり、自分でも聴けなくなってしまった)。
■8 SRATM – Rena 1:19
さてこれは。なんだろう。Renaって能年玲奈? 現・のん? そういえば、のんは'19年にテイ・トウワの「On Air EP」に参加してたりするな。
しかし、この『Arbeit』のCD-Rは'03年の制作だし、調べてみるとのんは'93年生まれだ。当時10歳。時代が合わない…。
つーことで、いろいろ考えたのですが、このRenaは田中麗奈ではないか。かつてテイ・トウワは、田中麗奈が出るドコモ九州のCMの音楽をやってたことがあるのですね。だからたぶんこのCMの音楽が入ってるような気がするんだけど、どうでしょう。
■9 Sandii – Dream Catcher 4:40
'19年の『Arbeit』に収録……されてそうでされてなかった。サンディーのリミックス。'94年の
『World Remix』に収録されてる曲だと思う。
■10 Bjork – Hyperballad 8:11
これも'19年の『Arbeit』に入ってそうで入ってない。
ビョークのシングルに入ってますね。
■11 YMO – Be A Superman 5:35
'19年の『Arbeit』に収録。云わずと知れた再生YMOのリミックス。『Technodon Remixes I』に入ってますね。ちなみにこれのプロモ12インチというのもありまして、なぜかおれは持っております。
片面はこのリミックスで、もう片面がジ・オーブの「Waterford」のリミックス。
■12 Koji-1200 – Now Romantic (Folk Version) 3:05
うーん…。わからん。おそらく市販の盤には入ってなかったように思うのですが…。このCD-R用に作ったものでしょうか。
TT氏は、原曲からベースやドラムを抜いたものをフォーク・ヴァージョンのように呼んでいる、というのは何かで読んだ覚えがあります。たとえば(別の曲ですが)
ここにもFOLK MIXという文字があったりします。
■13 Towa Tei – Tamilano (Francois.K Mix) 4:16
13曲目にしてようやく本人名義のトラック。しかしこれも、うーん…、わからん。
Tamilanoといえば、'97年の『Sound Museum』に含まれている「Tamilano」で、その曲にはもともと Francois Kevorkianは参加してるんですが、わざわざFrancois.K Mixと銘打つってことは、なにかしら『Sound Museum』とは異なるミックスなんでしょうか。
ちなみに『Sound Museum』のジャケ写は、初回盤と再発盤で唇が微妙に違う(修正されてる)、という話を聞いたことがある。
■14 Rhymester – Royal Straight Flash (Instrumental) 4:11
ライムスターのリミックス、なんですが、(Instrumental)って書かれてますね。
Discogを見る限り、テイ・トウワのリミックス版インストってのは市販の盤には入ってないので、このCD-R用に作ったもの、かもしれません。
■15 SRATM – Nippon Pop (The Theme From A German FM Show) 0:54
これも難しい…。
■16 Nokko – No Return 5:29
『I Will Catch U.』に入ってる曲だと思う。
■17 Koji-12000 – Love For Sale (Promo 7" Version) 3:53
最後の曲です。親切にも、Promo 7"って書いてるので分かりやすいですね。そのプロモ盤7インチのDiscogsの頁は
こちら。
しかしプロモ盤なんてそうそう手に入らないよなー、と嘆いているそこのあなた。
いまならヤフオクで買えます! ただし、それなりのお値段がします。おれは買えません…。
■まとめ
'03年版『Arbeit』収録曲のうち、'19年版にも入ってる曲は、17曲中わずか5曲(3、5、6、7、11)! もっと入ってるもんかなあ、と思ってました、なんとなく。意外とかぶってない。
中古で探せば、まあ買えるな、ってのが2、4、9、10、16の5曲。
ダウンロード販売なのに廃盤になってる(つまり中古では出回らない)のが1。
プロモ盤やCM曲などソフト化が前提になってない曲、その他よくわかんないやつが8、12、13、14、15、17の6曲。
ということで、一般家庭で'03年版の『Arbeit』を再現するのは難しいことがわかりました! いかがでしたか? というか、やっぱり市販してほしいよね、この'03年版も。
まあ、手に入らない曲は、それに近いバージョンで代用するなどして、'03年版『Arbeit』に寄せたCD-Rを自分で作ってみるのもいいかもしれない。あー、でもいまCD-Rなんか焼かないか。プレイリストか、最近は。Spotifyとかの。
あと、'19年版『Arbeit』は、ピチカートの曲名が「Cathy」と記されてるけど、「Catchy」だよな、正しくは。まあこのエントリにも間違いがいろいろ含まれてるかもしれませんので、そこは許してください。
それではまた来週。パーソナリティーは、
──たかさごや。(゚д゚ ) (゚д゚ ) (゚д゚ )
中村莟玉でした。違うけど。あ、そういえば
莟玉くんファンクラブできたらしいよね。