■ペットボトルの伊右衛門茶の味が水っぽくなってるような気がします。半蔵商店でございます。
■先週の土曜日はですね、昼は浅草歌舞伎、夕方から国立演芸場、夜は渋谷でDJイベント、という充実ぶりでした。DJイベントはDJする側でなく見る側です。入場料は某氏におごっていただきました。ありがとうございました(その後のラーメン屋は、お返しにおれがごちそうするべきでした……不義理ですいません)。
で、国立演芸場について書きます。
なぜこの場所に足を運んだかというと、
第440回花形演芸会、という営みがあったからなんですね。カブキを見に行くために、お隣の国立劇場へ行ったことは2兆回くらいありますが演芸場は初めてです。
で、なぜこの花形演芸会を見に行くことにしたかというと、爆笑問題が出るからです。おまえ、生で爆笑問題のネタ見たことある? おれはない。とりたてて爆笑問題の大ファンというわけではないけど、あの漫才は生で見ておきたい。
■六時開演。前座の『子ほめ』から始まって数組の芸人。15分の休憩を挟んで八時に黒のダブルのスーツを着て舞台に現れた二人は、時事ネタ多めの漫才を15分くらいやって帰っていきました。ふだんは年末年始のテレヴィジョン受信機でしか見られない爆笑問題のネタを生で鑑賞できるなんて、こいつぁ春から。
うまいなー、と思ったのが、漫才中の話題のつなぎ方がほんとにシームレスなんですね。継ぎ目なし。「継ぎ目」を感じさせちゃう、ってのは聞く側がしんどいんですね。漫才にしろ落語にしろDJにしろラジオのフリートーク部分にしろ(ほら、たとえば落語を聞いてて、マクラからハナシ本篇に移ったとたんぐったりしたことありません?)。爆問の漫才は、それを感じさせない。うまい。
それにSMAPだのベッキーだの、いろんな時事ネタがある時期の漫才だったからね。旬な話題がいろいろ漫才に盛り込まれてました。タイミング良かったね。これを見られた人は、おれを含めて運がいいよね。
■他に、ロケット団の漫才(とくに前半)、王楽の創作落語が良かった。
王楽の落語の、実在するスーパーのチェーンの名前を次々あげていくところ、とか、スーパーのレジの人の対応の演技、とか、そのレジの人にクレームを付ける男の演技とか、生々しいリアリティがあった。
■あと、国立演芸場って場所、初めて行ったんだけど、2階ロビーの“狭さ”が良かった。ただ、客席内の左右の壁の、なんにもない殺風景さが気になった。色気がない。これは、国立劇場にも似たようなことが云える。
それと、なんつーか、寄席(と芝居小屋)ってのはやはり、ごちゃごちゃした都市の雑踏にあるもの、なんでしょうな。浅草しかり新宿しかり。国立演芸場ってのは、その寄席を都市空間から切り取って、最高裁判所の横にポン、と置いたハコにすぎない。一種の仮想空間。なので、夜も更けた終演後このハコを出ると、あたり一帯が静まりかえっており(官公庁街+住宅街だから当然なのですが)、寄席で得た昂揚感をプツンと切断される。なーんか侘しさが残る。狐か狸に化かされたような…。
どうでしょう、国立演芸場はいっそ渋谷あたりに移転してみては? 旧「たばこと塩の博物館」跡地とか。シアターDもご近所ですし。