■出張先で家の鍵をなくす |
■出張行ってきました。
昨日のこと。出張の最後の最後、仕事をすべて終えて、X県Y市から特急に乗ってさあ東京へ帰ろう、って段になって、
東京の自宅の鍵をなくした
ことに気づいた。おいおいおいおいどこで落としたんだ!? 鍵がないと、帰京しても自分の部屋に入れないではないか。
あわてて、カバンの中身をあらためる。鍵はない。スーツケースの中身も全部あらためる。やはり鍵は見つからない…。
前夜に泊まったホテルに電話してみるも「鍵の落とし物は届いておりません」とのこと。
今回の出張での仕事場だった事務所に電話しても、やはり鍵など落ちてないとのこと。
うーむ、どうしたものか。時間だけが無駄に過ぎていく。
■もしや、と思いたって、あるラーメン屋に電話してみることにする。今回の出張中に立ち寄り、おれがラーメンを食べた店である。
「あのー、すいません、昨日そちらでラーメン食べてた者でして。ええ、ええ。お店に入って右手の、カウンターのいちばん端で食べてた者なんですけど。ええ、ええ。もしかして鍵の落とし物ってあったりしませんですかね?」
電話に出たお店の人に訊いたところ、はたして鍵はそのラーメン屋にあった。お店の床に落ちてたようだ。
■鍵のありかが分かって一安心、なんだけど、そのラーメン屋は(おれがその時いた)X県Y市から60km離れたZ市にあるんである。つまり、鍵を受け取るためだけに往復120kmを移動する必要がある…。
とはいえ、しょうがないことなので、Y市からZ市まで行くことにした。高速道路に乗ってクルマで往路の60km(※説明が長くなるのではしょりますが、今回の出張は特急とクルマを使っての移動だった、とお考えください)。
Z市のラーメン屋の駐車場にクルマを停め、店内に入る。店員さんから鍵を受け取りお礼を述べる。そして、すぐさま再び高速道路に乗って今度はZ市からY市まで復路の60km。
慣れない高速道路の運転でくたくたに疲れ切った。なんとか、Y市からのこの日最後の特急に乗って東京に帰れることになった。
しかし、特急の発車までまだ一時間ちょっとある。
■「ショーケースに定食のサンプルが多数飾られており和風レストランを名乗ってはいるが事実上ふつうの居酒屋」、という地方都市でたまに出くわすタイプの店を駅前で見つけたので、時間つぶしも兼ねて入ってみる。
馬刺しと天ぷらそばと熱燗を発注。馬刺しは、風味というものがほとんど感じられなかった。天ぷらそばは、ひたすら塩辛かった。鍵を落としてしまったばっかりに、余計に往復120km移動しなければならなかったし、こんなにも美味しくない馬刺しと天ぷらそばを食わないといけない。踏んだり蹴ったりである。人生は厳しい。
■おれのすぐ近くの席にいる、年配男性集団の声がでかくて、話がイヤでも耳に入ってきてしまうのだが、その集団の中にどうやら森田一義の番組に出た人がいるらしい。タモリ倶楽部? ブラタモリ? いずれにせよすごい。
■しかし、なんでまたよりによって久々の出張中というタイミングで鍵をなくすかね。自分の間抜けさに、あらためてびっくりする。鍵をなくすこと自体、まず、これまでの人生でそうそうないことなのに。
そもそもおれがZ市のラーメン屋にさえ行かなければ、おそらくはこんなことにならずに済んだんである。
とはいえ、この日は不思議と
「嗚呼、こんなことならあのときはじめからラーメン屋に行かなければ良かった」
という後悔の気持ちよりも、
「ラーメン屋の床で鍵が無事見つかって良かった〜! 店員さんありがとう! Z市最高! ラーメン最高! 優勝!」
という感謝の気持ちのほうが強かった。いつもなら、前者の気持ちのほうが強くなりがちなんだけどさ。
■居酒屋を出て駅まで歩き、マイナス2℃という寒さのなかホームで特急を待った。茗荷谷の自宅に着いたのは午後十一時過ぎでした。
昨日のこと。出張の最後の最後、仕事をすべて終えて、X県Y市から特急に乗ってさあ東京へ帰ろう、って段になって、
東京の自宅の鍵をなくした
ことに気づいた。おいおいおいおいどこで落としたんだ!? 鍵がないと、帰京しても自分の部屋に入れないではないか。
あわてて、カバンの中身をあらためる。鍵はない。スーツケースの中身も全部あらためる。やはり鍵は見つからない…。
前夜に泊まったホテルに電話してみるも「鍵の落とし物は届いておりません」とのこと。
今回の出張での仕事場だった事務所に電話しても、やはり鍵など落ちてないとのこと。
うーむ、どうしたものか。時間だけが無駄に過ぎていく。
■もしや、と思いたって、あるラーメン屋に電話してみることにする。今回の出張中に立ち寄り、おれがラーメンを食べた店である。
「あのー、すいません、昨日そちらでラーメン食べてた者でして。ええ、ええ。お店に入って右手の、カウンターのいちばん端で食べてた者なんですけど。ええ、ええ。もしかして鍵の落とし物ってあったりしませんですかね?」
電話に出たお店の人に訊いたところ、はたして鍵はそのラーメン屋にあった。お店の床に落ちてたようだ。
■鍵のありかが分かって一安心、なんだけど、そのラーメン屋は(おれがその時いた)X県Y市から60km離れたZ市にあるんである。つまり、鍵を受け取るためだけに往復120kmを移動する必要がある…。
とはいえ、しょうがないことなので、Y市からZ市まで行くことにした。高速道路に乗ってクルマで往路の60km(※説明が長くなるのではしょりますが、今回の出張は特急とクルマを使っての移動だった、とお考えください)。
Z市のラーメン屋の駐車場にクルマを停め、店内に入る。店員さんから鍵を受け取りお礼を述べる。そして、すぐさま再び高速道路に乗って今度はZ市からY市まで復路の60km。
慣れない高速道路の運転でくたくたに疲れ切った。なんとか、Y市からのこの日最後の特急に乗って東京に帰れることになった。
しかし、特急の発車までまだ一時間ちょっとある。
■「ショーケースに定食のサンプルが多数飾られており和風レストランを名乗ってはいるが事実上ふつうの居酒屋」、という地方都市でたまに出くわすタイプの店を駅前で見つけたので、時間つぶしも兼ねて入ってみる。
馬刺しと天ぷらそばと熱燗を発注。馬刺しは、風味というものがほとんど感じられなかった。天ぷらそばは、ひたすら塩辛かった。鍵を落としてしまったばっかりに、余計に往復120km移動しなければならなかったし、こんなにも美味しくない馬刺しと天ぷらそばを食わないといけない。踏んだり蹴ったりである。人生は厳しい。
■おれのすぐ近くの席にいる、年配男性集団の声がでかくて、話がイヤでも耳に入ってきてしまうのだが、その集団の中にどうやら森田一義の番組に出た人がいるらしい。タモリ倶楽部? ブラタモリ? いずれにせよすごい。
■しかし、なんでまたよりによって久々の出張中というタイミングで鍵をなくすかね。自分の間抜けさに、あらためてびっくりする。鍵をなくすこと自体、まず、これまでの人生でそうそうないことなのに。
そもそもおれがZ市のラーメン屋にさえ行かなければ、おそらくはこんなことにならずに済んだんである。
とはいえ、この日は不思議と
「嗚呼、こんなことならあのときはじめからラーメン屋に行かなければ良かった」
という後悔の気持ちよりも、
「ラーメン屋の床で鍵が無事見つかって良かった〜! 店員さんありがとう! Z市最高! ラーメン最高! 優勝!」
という感謝の気持ちのほうが強かった。いつもなら、前者の気持ちのほうが強くなりがちなんだけどさ。
■居酒屋を出て駅まで歩き、マイナス2℃という寒さのなかホームで特急を待った。茗荷谷の自宅に着いたのは午後十一時過ぎでした。