■芋虫とラジエーター |
■パスタではスパゲティーが好きだ。ありきたりのことを書いてしまったが、事実なのだからしかたがない。
そもそももうインターネットにはありきたりのことしか書かれていない。インターネットには何か目新しいことが書かれているに違いない、という幻想を捨てられずにいると、画面を撫でるだけで今生を終えることになる。合掌。
それはさておき最近──それこそ令和に入ってから──ショートパスタを茹でることもあるにはあって、あの人を小馬鹿にしたようなくにゅっくにゅっという食感が妙に味わいたくなって、ペンネをごくまれに茹でることはある。
■先日、なんとなくフリッジを買ってみた。あれ? フジッリ? フリッジ? フジッリか。こいつもショートパスタの一種だ。それを100g茹でて、市販のバジルのパスタソースで和える。丼に盛る。
そこまではよかった。
バジルソースで和え、丼に盛られた茹でたてのフジッリが、なにやら芋虫に見えてしょうがない。おれは、虫が大の苦手、というタイプの人間ではないのだが、しかし、あのサイズといい、模様といい、なんとなく芋虫っぽさ感じてしまい、急に、うっ、となってしまった。丼いっぱいに盛られた芋虫…。
いや、これは断じて芋虫ではない、ショートパスタだ、フジッリだ、キユーピーのバジルソースで和えたフジッリだ、キューピーじゃなくてキユーピーが企業名としては正しい表記なんだ、と自分で自分に言い聞かせながら、半ば目をつむって、芋虫もといフジッリを口の中にかき込む。せっせとかき込む。
味も食感も分かったものではない。が、丼はほどなく空になった。食事というか、芋虫もといフジッリを単に丼から胃袋に移し替える作業、で終わってしまった。うーむ。
■調べてみたところ、wikipediaいわく、フジッリの語源は「おそらくライフルのらせん状の銃砲身から、古いイタリア語でライフルを指す "fusile"(現代イタリア語の "fucile")から来ている。また、その単語は標準イタリア語で「小さい紡錘」も意味する」とのことで、芋虫とは関係ないらしい。
■この数日後、とある店に行くと店頭に、ラディアトーリなるものが売られているのを発見した。ラジエーター型のショートパスタらしい。ラジエータってのは、あの、クルマのラジエーターのことである。なんだよ、ラジエーター型ショートパスタって。まあショートパスタにもいろいろあることが分かった。
ところでこのフリッジ、じゃなくてフジッリ、おれの部屋にあと400グラムも残っている。どうやって食べきろう…。
そもそももうインターネットにはありきたりのことしか書かれていない。インターネットには何か目新しいことが書かれているに違いない、という幻想を捨てられずにいると、画面を撫でるだけで今生を終えることになる。合掌。
それはさておき最近──それこそ令和に入ってから──ショートパスタを茹でることもあるにはあって、あの人を小馬鹿にしたようなくにゅっくにゅっという食感が妙に味わいたくなって、ペンネをごくまれに茹でることはある。
■先日、なんとなくフリッジを買ってみた。あれ? フジッリ? フリッジ? フジッリか。こいつもショートパスタの一種だ。それを100g茹でて、市販のバジルのパスタソースで和える。丼に盛る。
そこまではよかった。
バジルソースで和え、丼に盛られた茹でたてのフジッリが、なにやら芋虫に見えてしょうがない。おれは、虫が大の苦手、というタイプの人間ではないのだが、しかし、あのサイズといい、模様といい、なんとなく芋虫っぽさ感じてしまい、急に、うっ、となってしまった。丼いっぱいに盛られた芋虫…。
いや、これは断じて芋虫ではない、ショートパスタだ、フジッリだ、キユーピーのバジルソースで和えたフジッリだ、キューピーじゃなくてキユーピーが企業名としては正しい表記なんだ、と自分で自分に言い聞かせながら、半ば目をつむって、芋虫もといフジッリを口の中にかき込む。せっせとかき込む。
味も食感も分かったものではない。が、丼はほどなく空になった。食事というか、芋虫もといフジッリを単に丼から胃袋に移し替える作業、で終わってしまった。うーむ。
■調べてみたところ、wikipediaいわく、フジッリの語源は「おそらくライフルのらせん状の銃砲身から、古いイタリア語でライフルを指す "fusile"(現代イタリア語の "fucile")から来ている。また、その単語は標準イタリア語で「小さい紡錘」も意味する」とのことで、芋虫とは関係ないらしい。
■この数日後、とある店に行くと店頭に、ラディアトーリなるものが売られているのを発見した。ラジエーター型のショートパスタらしい。ラジエータってのは、あの、クルマのラジエーターのことである。なんだよ、ラジエーター型ショートパスタって。まあショートパスタにもいろいろあることが分かった。
ところでこのフリッジ、じゃなくてフジッリ、おれの部屋にあと400グラムも残っている。どうやって食べきろう…。