■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
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■すき焼き(のような何か)


■先日、ちょっと良い肉ですき焼きなんぞやってみようと思った。

すき焼きを食べるときは、「お安い肉をたっぷり」ではなく、「ちょっとだけでいいからお高い肉」のほうがいい、そのほうが、なんだかんだで満足度が高い、と物の本にそう書いてあったのを思い出したんである。しかし「物の本」って死語だな。

ま、おれの云うすき焼きなんて、できあいの割下で肉を味付けしました→それに生卵をつけて食べますねってだけの、かなり簡素化した、まあ「すき焼きのような何か」なんだけど、それはさておき。


■スーパーに行く。いつもの100グラム200円のお安い米国産切り落とし、ではなく、100グラム1580円の黒毛和牛ロースを買う。

この戦時下において100グラム1580円の牛肉とはなんだ! この非國民が! 贅沢は敵だ! パーマネントはやめませう! と義憤に駆られる快楽に押し流されそうになってる帝国臣民を安心させるために申し上げますと、この肉は見切り品であって、実際は半額、つまりは100グラムあたり790円であった。シカーモー(昭和末期クレアラシルのCMの外人風に)、買ったパックはたった111グラムである。

ハンバーグの店では平気で500グラムだの600グラムだの頼むおれが、111。

挽き肉を500グラム買ってきて、タコス用のシーズニングで炒め、それだけをむさぼり食うおれが、111。

心もとないと云えば心もとないグラム数である。


■肉と切断した長ネギをテキトーに炒め、しらたきを投入し、できあいの割下でちょっと煮ると、果たしてそれはたった111グラムの肉にかかわらず、満足度の高いすき焼きとなった。ま、前述の通り、本式のすき焼きではなく、あくまで「すき焼きのような何か」です。肉以外の具も長ネギとしらたきだけですもん。でも、満足できた。

正直、肉のおいしさを楽しみたいなら、ステーキか焼肉がベストだと思う。じゃあなぜ人類がわざわざすき焼きにするかというと、これは肉そのもののおいしさを楽しむというよりは、肉と、長ネギと、しらたきと、割下と、生卵と──と、いろんな食材で構成される複雑系の味を楽しむ料理なんだろう。

上の段落での「複雑系」という言葉のつかいかたはたぶん間違っていると思うけど、しかし、なにも「素材の味をシンプルに楽しむ」ばかりが料理でもないだろう。肉そのもののおいしさ、なんてのは別の機会に楽しめばいい。


■──といったことをつらつら書いてると、おれがすき焼き好きの人みたいだが、個人的ランキングで云うとすき焼きよりもステーキとか焼肉のほうが好きだな。肉そのもののおいしさが味わえるじゃないですか。

あと、すき焼きとは長ネギを美味しく食べる料理である、とか、そういったことを思ってしまいそうになる。それくらい、長ネギを美味しく感じた。すき焼きは肉料理ではなく、実は長ネギ料理なのかもしれない。そこまで云うと、さすがに言い過ぎのようにも思うけど。


■今回はお高い肉を111グラムだけ食べたけど、しかしお安い肉1.5ポンドですき焼きをやりたいという欲望も、それはそれとしてある。安い肉をたくさん胃袋に詰め込みたい、という種類の誘惑があるんだよな。