■中谷芙二子『霧の抵抗』 於 水戸芸術館 |
■木村っていう役者が映画の宣伝で連日やたらテレヴィジョンに出ておりますが、この人のかっこよさやカリスマ性って、結局あのグループあってこそのものだったのかなあ、と、以前も思ったことを思っております。
■といった意味も含めまして半蔵商店でございます。昨日は水戸に行ってきました。2年ぶりだなあ。以前は営業の仕事で、毎週のように来てたものです。
朝9時前、2年ぶりの水戸駅北口。画面右手に見える京成ホテルは、拙僧が男一人で「いちごスイーツ食べ放題」に突撃したことで有名。しかも2年連続。
北口のバス停からバスに乗る。電子マネーの端末があったのでPASMOをタッチしてみるが反応しない。バス停にいた係の人に「イバッピしか使えません」と云われる。ふむ。
■京成百貨店前で降りる。歩く。水戸芸術館着。本日のお目当て、『霧の抵抗』を見るのです。そのために電気で動く汽車に乗り継いで水戸にやってきたのです。これまで水戸には冗談抜きで100回くらいは来てるのですが(仕事でね)、水戸芸術館は初めて。あのくねくねした謎の物体は当然知ってたのですが。
おれが水戸芸術館に着いたのは9時前だったので、開館の9時半まで近所のファミリーマートでコーヒーを買ったりしつつぶらぶらする。
∴
■9時半ごろ水戸芸術館の庭というか広場というか、そういう感じのスペースに来てみると、おお、さっそく霧がもくもくして、シューゲイザーっぽい画ヅラになってる。
霧の中にいると、視界が曖昧模糊としてきて、だんだん真っ白になっていって、なにも見えなくなって、また霧が晴れていって、という流れがおもしろい。
霧が散布されるときの「シュー…………」という音もサウンドアート的で良い。耳に優しいホワイトノイズというか。
■うん、霧のある風景って好きなんだよね。たまに貸しポジのサイトで、「fog lake」みたいに検索するもんね。
おれはなぜ霧の風景が好きなんだろう。視界に濃淡ができて、明確な景色を把握できなくなる、この「把握できなさ」がいいのかもしれない(われわれは万事において「把握することがいいこと」だと思わされてすぎている、と思う)。把握できなくなるので、クリアな素の景色を想像する余地が生まれる。その余地が楽しいのかな、なんて。わかんないすけど。
霧というものを体験したことがほとんどないので、このたびは実際に霧の中に身を置けて良かったです。
■で、ひとしきり霧を堪能したのち、館内へ。館内でも霧と映像のインスタレーション作品があって、こっちもとても良かったんだけど、おれは強いて云うなら前述の広場の霧が好きです。現実の水戸の街に、霧がなだれ込んでくる感じが。なんというか、アートが実際の世界に切り込んでくる感じが得られて。
∴
■で、霧の部のあとは、メディアアート/ビデオアートの部になる。
メディアアートの部。'71年に世界4都市をテレックス(ベルギーのバンドじゃないほう)で結び、各都市の人々が10年後の世界についてお互いに質問しあって回答しあう、みたいな企画の展示があって、いろんな質問と回答のテレックスが貼り出されてたんだけど、その回答者の中に手塚治虫とかウルトラ・ヴァイオレットとかっていう名前が平気で出てくるのな。
で、陳腐な紋切り型の感想文ですまんけど、そのなかにコンピュータ時代の到来を予見したような外人のテレックスがあって。「コンピュータを使ってるつもりが実は使われてるような人々、ってのが出てくるでしょう」みたいなこと書いてんだけど、これ、コンピュータの語をスマートフォンとかインターネットとかに置き換えたらまるっきり現代だよな。陳腐な紋切り型の感想文ですまんけど。'71年にそういうことを言い当てる人はちゃんと言い当てるんだな。'71年だぜ。カシオミニの発売が'72年だぜ。
ビデオアートの部。原宿にあったビデオアート専門ギャラリー(というのがこの日本にあったんですね)『SCAN』にまつわる展示。ビデオアートって結局ナムジュン・パイクしか売れなかったイメージ(あ、拙僧はナムとジュンの間にナカグロ入れない派です)。あと、あれか、坂本龍一の『TV WAR』とか、立花ハジメのFUJI AV LIVEとかか。よくわからんけど、でも、'80年代〜バブルのアートシーンの徒花、的な香りがして良かった。「SCAN賞受賞者リスト」みたいなのの中に原田大三郎の名前があった。
しかし霧にしろ、メディアアートにしろ、ビデオアートにしろ、相当の技術&金が必要になる表現だなあと思った。予算超過のため、万博の会期途中でE.A.T.はペプシ館から撤退した、みたいなことが書いてあったような気がする。
■で、館内の売店で母へのお土産用に干し芋を買って(水戸ですから)、庭に出て、再度の霧を堪能して終了。
夜は庭が照明でライトアップされるらしく、それも見てみたかったんだけど、この夜は歌舞伎座なのです。
バスでなく、歩いて水戸駅まで戻ってみる。
■さてお昼、なのですが、目当ての店が休みだったので、何を食べようか困る。電車まで時間がない。うーん。とりあえず駅ビルの中をうろうろ。なぜか地下のスーパーで「焼そばUFOミーゴレン」を買ってしまう。これは自分用のお土産とする。おやつにミスタードーナツ4個購入。
改札をくぐって、「ベックス」(JRがやってる店ね)でカレー。『プレバト』の盛りつけランキングだったら、土井先生が怒ってVTRの中から飛び出してきそうなくらいに、ライスの盛りつけがめちゃくちゃガタガタだった…。
■常磐線グリーン車で東京へ。車中、ドーナツを四個続けて食べて、胃もたれで気分が悪くなる。
おい、これ、所ジョージの「ドーナツで生き返る」って歌の歌詞そのまんまじゃん…。いくらおれが平均的日本人よりも所さんの音楽を聴いてるからって、そんなところまで影響受けなくてもいいのにね。
■帰京後、胃もたれしたまま歌舞伎座夜の部へ。
■といった意味も含めまして半蔵商店でございます。昨日は水戸に行ってきました。2年ぶりだなあ。以前は営業の仕事で、毎週のように来てたものです。
朝9時前、2年ぶりの水戸駅北口。画面右手に見える京成ホテルは、拙僧が男一人で「いちごスイーツ食べ放題」に突撃したことで有名。しかも2年連続。
北口のバス停からバスに乗る。電子マネーの端末があったのでPASMOをタッチしてみるが反応しない。バス停にいた係の人に「イバッピしか使えません」と云われる。ふむ。
■京成百貨店前で降りる。歩く。水戸芸術館着。本日のお目当て、『霧の抵抗』を見るのです。そのために電気で動く汽車に乗り継いで水戸にやってきたのです。これまで水戸には冗談抜きで100回くらいは来てるのですが(仕事でね)、水戸芸術館は初めて。あのくねくねした謎の物体は当然知ってたのですが。
おれが水戸芸術館に着いたのは9時前だったので、開館の9時半まで近所のファミリーマートでコーヒーを買ったりしつつぶらぶらする。
■9時半ごろ水戸芸術館の庭というか広場というか、そういう感じのスペースに来てみると、おお、さっそく霧がもくもくして、シューゲイザーっぽい画ヅラになってる。
霧の中にいると、視界が曖昧模糊としてきて、だんだん真っ白になっていって、なにも見えなくなって、また霧が晴れていって、という流れがおもしろい。
霧が散布されるときの「シュー…………」という音もサウンドアート的で良い。耳に優しいホワイトノイズというか。
■うん、霧のある風景って好きなんだよね。たまに貸しポジのサイトで、「fog lake」みたいに検索するもんね。
おれはなぜ霧の風景が好きなんだろう。視界に濃淡ができて、明確な景色を把握できなくなる、この「把握できなさ」がいいのかもしれない(われわれは万事において「把握することがいいこと」だと思わされてすぎている、と思う)。把握できなくなるので、クリアな素の景色を想像する余地が生まれる。その余地が楽しいのかな、なんて。わかんないすけど。
霧というものを体験したことがほとんどないので、このたびは実際に霧の中に身を置けて良かったです。
■で、ひとしきり霧を堪能したのち、館内へ。館内でも霧と映像のインスタレーション作品があって、こっちもとても良かったんだけど、おれは強いて云うなら前述の広場の霧が好きです。現実の水戸の街に、霧がなだれ込んでくる感じが。なんというか、アートが実際の世界に切り込んでくる感じが得られて。
■で、霧の部のあとは、メディアアート/ビデオアートの部になる。
メディアアートの部。'71年に世界4都市をテレックス(ベルギーのバンドじゃないほう)で結び、各都市の人々が10年後の世界についてお互いに質問しあって回答しあう、みたいな企画の展示があって、いろんな質問と回答のテレックスが貼り出されてたんだけど、その回答者の中に手塚治虫とかウルトラ・ヴァイオレットとかっていう名前が平気で出てくるのな。
で、陳腐な紋切り型の感想文ですまんけど、そのなかにコンピュータ時代の到来を予見したような外人のテレックスがあって。「コンピュータを使ってるつもりが実は使われてるような人々、ってのが出てくるでしょう」みたいなこと書いてんだけど、これ、コンピュータの語をスマートフォンとかインターネットとかに置き換えたらまるっきり現代だよな。陳腐な紋切り型の感想文ですまんけど。'71年にそういうことを言い当てる人はちゃんと言い当てるんだな。'71年だぜ。カシオミニの発売が'72年だぜ。
ビデオアートの部。原宿にあったビデオアート専門ギャラリー(というのがこの日本にあったんですね)『SCAN』にまつわる展示。ビデオアートって結局ナムジュン・パイクしか売れなかったイメージ(あ、拙僧はナムとジュンの間にナカグロ入れない派です)。あと、あれか、坂本龍一の『TV WAR』とか、立花ハジメのFUJI AV LIVEとかか。よくわからんけど、でも、'80年代〜バブルのアートシーンの徒花、的な香りがして良かった。「SCAN賞受賞者リスト」みたいなのの中に原田大三郎の名前があった。
しかし霧にしろ、メディアアートにしろ、ビデオアートにしろ、相当の技術&金が必要になる表現だなあと思った。予算超過のため、万博の会期途中でE.A.T.はペプシ館から撤退した、みたいなことが書いてあったような気がする。
■で、館内の売店で母へのお土産用に干し芋を買って(水戸ですから)、庭に出て、再度の霧を堪能して終了。
夜は庭が照明でライトアップされるらしく、それも見てみたかったんだけど、この夜は歌舞伎座なのです。
バスでなく、歩いて水戸駅まで戻ってみる。
■さてお昼、なのですが、目当ての店が休みだったので、何を食べようか困る。電車まで時間がない。うーん。とりあえず駅ビルの中をうろうろ。なぜか地下のスーパーで「焼そばUFOミーゴレン」を買ってしまう。これは自分用のお土産とする。おやつにミスタードーナツ4個購入。
改札をくぐって、「ベックス」(JRがやってる店ね)でカレー。『プレバト』の盛りつけランキングだったら、土井先生が怒ってVTRの中から飛び出してきそうなくらいに、ライスの盛りつけがめちゃくちゃガタガタだった…。
■常磐線グリーン車で東京へ。車中、ドーナツを四個続けて食べて、胃もたれで気分が悪くなる。
おい、これ、所ジョージの「ドーナツで生き返る」って歌の歌詞そのまんまじゃん…。いくらおれが平均的日本人よりも所さんの音楽を聴いてるからって、そんなところまで影響受けなくてもいいのにね。
■帰京後、胃もたれしたまま歌舞伎座夜の部へ。