■日本の童貞 |
■日本男児の『童貞性』は、時代の変化とともに、世間でどう尊ばれたり嗤われたりしてきたか。というテーマについて書かれた『日本の童貞』という本を読みました。
■有名人無名人問わず、「童貞の価値」を表す発言を、それぞれの時代ごとの雑誌などからピックアップ→分析した本で、「童貞は正しい」「いや、童貞は早く捨てるべき」など、老若男女の人のいろいろな童貞論を読むことができて楽しいです。
■で、そういった本のテーマとは全く別に、個人的にアイター(ノ∀`)ってなった発言がありました。それは、1982年の雑誌に載っていた「二六歳の商業デザイナー」とかいう女の発言です。自分にはかなりの衝撃で、その衝撃によるストレスを緩和するために何かちょっと甘いものが欲しくなってしまうほどでした。以下がその発言です(引用部は赤字で書きます)。
「相手が二十五をすぎて童貞だったら、泣いてお願いされてもお断り。」
このデザイナーさん、出だしからちょっと厳しいです。
「二十五歳すぎの童貞なんて、数日間、エサにありつけなかったやせたノラ犬みたいなもので、ガツガツしているだけでしょ。」
童貞をノラ犬あつかいです。そこまで決めつけるか……とも思いますが、ま、ま、ま、人間誰しも、自分の価値観だけで他人を判断してしまう時はどうしてもあります。まあしょうがない。
で、ここまではいいのです。問題は次のセンテンスです。
「そのノラ犬に、私のような
高級フランス料理なみの肉体を
ささげられるものですか」
うおーいちょっと待てお前!! なにこれ! びっくりさせんなよ! 女子高生とかならまだしもですね、26にもなって、なによこの自信。なんつーか、もう、参りました。きっとよっぽどの美人のヒトなんだろうね、はいはい、うん、わかったわかった、降参降参、はいはい(書類の角をトントンとそろえ、帰る準備)。
■童貞だろうと非童貞だろうと、男側からの発言にはビシビシ突っ込んでいる著者が、この26歳女の勘違い発言はノーマーク&スルーですかそうですか。表4の著者近影での和服を着付けるヒマがあるんなら、この女の頭の中身を分析してやって! 渋谷知美さん!(著者)
【引用部分】
『日本の童貞』渋谷知美(文春新書 2003) p172より
(「週刊女性」1982/6/8号の孫引き)