■説明がすごい下手な人しか住んでない町(4) |
(前回からのつづき)
みなさんこんにちは。西麻布テレビのアナウンサー、竹下です。今日も引き続き、『説明がすごい下手な人しか住んでない町』をレポートしていきます。この町に来てさっそく2キロやせましたが、今日はですね、町の郊外にあるこちらのイタリア料理店。ここをですね、取材したいと思います。
■
(竹下アナ、テーブルにつく)
「どうも。竹下と申します」
「どうも。シェフの小林です」
「ではさっそくですが、お料理のほうを」
「はい。(料理をテーブルに並べる)」
「うほはっ(←男性アナがよく出す、文字に表記しづらい妙な短い笑い声)。美味しそうですねえ。これはカルボナーラですか?」
「まあ、そんなもんです」
「(もうちょっと情報ちょうだいよ……。)ではいただきます。うん、美味しいですね。小林さんは、この店をはじめてどれくらいになるんですか?」
「うーん、長いっちゃ長いですが、短いっちゃあ短いですね。あ、でも、今でもランチ営業はやってます」
「(答えになってない…。)そ、そうですか。小林さんはやはりイタリアに修行に行かれたりしたのですか?」
「ま、若いころって、いろいろやってみようかな、って気になりますからね。料理やってみたり、写真やってみたり、テニスやったり、で、それをブログに書いたり……あ、ブログはけっこう人気あったんですよ。一日に、そうですね……2000……いや1800………ヒットくらいはありましたね」
「(ブログのアクセス数なんか訊いてないんですけど…。)そうですか。あ、こちらのサラダは、なんというサラダですか?」
「いや、まあ、なんか、ふつうに作りました」
「……なにかこう、珍しい食材を使ってるとか……」
「あ、このウズラのゆで卵は、黄身をくりぬいて、中にキャビアを詰めてます」
「いやー、それは珍しいですね! (そうそう! そういう情報ちょうだい!)いったいどうやってこんな独特のアイデアを思いついたんですか?」
「いや、まあ、なんか、作ってたらできちゃった、みたいな。ふつうに」
「そ、そうですか……(なんでこう軽く流すかなー)。いや、今日はごちそうさまでした。美味しかったです。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
■
料理は上手でしたが、説明はやはり下手でしたね。それではまた明日。西麻布テレビの竹下がお送りしました。
(つづく)
みなさんこんにちは。西麻布テレビのアナウンサー、竹下です。今日も引き続き、『説明がすごい下手な人しか住んでない町』をレポートしていきます。この町に来てさっそく2キロやせましたが、今日はですね、町の郊外にあるこちらのイタリア料理店。ここをですね、取材したいと思います。
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(竹下アナ、テーブルにつく)
「どうも。竹下と申します」
「どうも。シェフの小林です」
「ではさっそくですが、お料理のほうを」
「はい。(料理をテーブルに並べる)」
「うほはっ(←男性アナがよく出す、文字に表記しづらい妙な短い笑い声)。美味しそうですねえ。これはカルボナーラですか?」
「まあ、そんなもんです」
「(もうちょっと情報ちょうだいよ……。)ではいただきます。うん、美味しいですね。小林さんは、この店をはじめてどれくらいになるんですか?」
「うーん、長いっちゃ長いですが、短いっちゃあ短いですね。あ、でも、今でもランチ営業はやってます」
「(答えになってない…。)そ、そうですか。小林さんはやはりイタリアに修行に行かれたりしたのですか?」
「ま、若いころって、いろいろやってみようかな、って気になりますからね。料理やってみたり、写真やってみたり、テニスやったり、で、それをブログに書いたり……あ、ブログはけっこう人気あったんですよ。一日に、そうですね……2000……いや1800………ヒットくらいはありましたね」
「(ブログのアクセス数なんか訊いてないんですけど…。)そうですか。あ、こちらのサラダは、なんというサラダですか?」
「いや、まあ、なんか、ふつうに作りました」
「……なにかこう、珍しい食材を使ってるとか……」
「あ、このウズラのゆで卵は、黄身をくりぬいて、中にキャビアを詰めてます」
「いやー、それは珍しいですね! (そうそう! そういう情報ちょうだい!)いったいどうやってこんな独特のアイデアを思いついたんですか?」
「いや、まあ、なんか、作ってたらできちゃった、みたいな。ふつうに」
「そ、そうですか……(なんでこう軽く流すかなー)。いや、今日はごちそうさまでした。美味しかったです。ありがとうございました」
「ありがとうございました」
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料理は上手でしたが、説明はやはり下手でしたね。それではまた明日。西麻布テレビの竹下がお送りしました。
(つづく)