■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
https://soundcloud.com/hanzo_tv/

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■ナカグロはどこへ消えた?


■どうも。荻窪駅前の道の運転が苦手な半蔵商店でございます。


■さて今日のエントリなんですが、カンの良い方ならタイトルだけ見て一瞬で通じるかと思うのですが、最近、われわれ人類はナカグロをあまり使わなくなったと思うのですね。あ、ナカグロってのは、「・」のことね、「・」。キーボードの「め」のキーを押すとでてくるやつ。日本語の文中で、外来語を続けて書くときに使うやつね。

最近は、たとえば「スパークリング・ワイン」くらいの単語だったら、もうナカグロなしで「スパークリングワイン」って書きますよね。20世紀のころは健気にナカグロを打ってたような気がするけど、21世紀くらいからナカグロを打たなくても許されるような雰囲気になりつつあるような気がする。むしろ打たないのが普通になってきてるというか。

メールアドレスを「メール・アドレス」ってナカグロ入りで書くヒト科ヒト属ヒトはあんまりいない。ディスク・ドライブ。ワイヤレス・マウス。キャラメル・マキアート。まあたいがいナカグロ省きますね。かわいそうだろ。ナカグロの気持ちも考えてやれよ。と云いつつ、拙僧もナカグロは省略する傾向にあります。

たぶん、ここ十数年の間に、あまりにもたくさんの外来語が日本に押し寄せてきたので、外来語を表記する際にいちいち律儀にナカグロを打っていたら、手間がかかるし、文章の見た目がゴマをまぶしたみたいになるし、なにより日本中でナカグロを大量消費することになって深刻なナカグロ不足を招く恐れがあるので、みんなナカグロを節約してあまり打たなくなってるんだと思う。冷夏でナカグロが不作の年は大変でしたからね。

──貴様はなにを云ってるんだ。(゚д゚; ) (゚д゚; ) (゚д゚; )

昔、村上春樹のエッセイで「メロン・パン」っていう表記を見たことあるけど、これはまあ和製外来語だからムリにナカグロで区切らなくともいいと思った。

──せっかくだから『ザテレビジョン』の話もしないと。(´д` ) (´д` ) (´д` )

そうですね。あのテレビ雑誌は、実はナカグロなしの『ザテレビジョン』が正式名称なんですよね。まあ、有名な話ですけど。


■で、ナカグロの最後の砦が、外国の人名や地名の表記だと思うのですが、先日とある新書で「マイケルジャクソン」というナカグロなしの表記を見ました。ちなみに、その新書ではマイケル以外の他の外人の名前はちゃんと姓と名がナカグロで区切られていました。でも、いずれは西洋人の名前もナカグロなしで書くのが普通になっちゃうんでしょうか。あるいは、ナカグロの代わりに半角スペースで区切るようになるとか。


■あと最近は、ナカグロを見かけなくなったように「ヴ」もあんまり見なくなった。たしかに、外来語を「ヴ」を使って表記すると、「いやいやいや(笑)、肩にチカラ入りすぎでしょ(笑)、なに緊張してんすか(笑)」ってオードリー若林に云われそうな感じがする。ヴァイオリン、ドライヴ、ヴィンテージ、ヴォリューム。西暦2014年現在、これらの表記はいささか物々しい印象を与える可能性が少々なきにしもあらずです。

でもまあ、ナカグロもヴも肩身が狭い時代とは云え、YMOのセカンドが『ソリッドステイトサバイバー』っていう表記だったら、なんというか、『ツァラトゥストラはかく語りき』を『ツァラトゥストラはこう語った』って訳されちゃった時のようなガッカリ感が漂いますよね。あれはやはり『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』と表記するべきでしょう。

っていうかツァラトゥストラって誰だよ。どこ中だよ、おまえ。おまえの名前、ローマ字入力で打ち込みにくいんだよ。


■こういう文章を書くと、「“ナカグロ”がゲシュタルト崩壊したー」と言い出すやつが必ず出る。