■沖縄でカブキ/コザで残虐行為展覧会 |
■沖縄でカブキ
先月の帰省の折り、琉球新報のテレビ欄に歌舞伎の巡業の広告が大きく出ていたり(写真を撮りそびれましたが)、コザの普久原楽器の店頭にこの巡業のポスターが貼られたりしていました(のちにこのポスターは台風で吹き飛ばされましたが)。ようするに、沖縄にカブキが来るみたいなのですね。
詳細はここに出てますが、まずチケットが高い! SS席で一万二千円て。巡業の値段じゃないですね、と云いたいところですが、沖縄までカブキを持ってくるとなるといろいろコストがかかるんでしょうね。ちなみに上記リンクでは、「県内での公演は2004年以来、9年ぶり」と記されていますが、これはたぶん松竹主催の歌舞伎が9年ぶりということのようで、'08年には文化庁の事業の一環としての公演もあったそうで、その際は沖縄本島のみならず石垣島でも公演があったらしいです。石垣島での歌舞伎公演は人類史上初らしいです。ふむ。
さて、ここでペヨトル工房(ある種の人々にいろんな感慨を抱かせる固有名詞)が'92年に出版した『歌舞伎はともだち[入門篇]』という本を見てみましょう。この本はその題の通り歌舞伎観劇の手引き書で、切符を買う列の並び方や座席の選び方はもちろん、幕間に食べる弁当についてまで細かく解説した本で(歌舞伎座裏「チョウシ屋」のコロッケパンの紹介に8ページ割いている本は全宇宙でも本書だけでしょう。ちなみに'92年の時点ですでに“B級グルメ”なる単語を使っております)、拙僧も三年前に歌舞伎を見始める時、実用的な情報の多い前半部を何度も読み返しました(さすがに情報は古くなってましたが…)。
で、この本にちょっとだけ沖縄における歌舞伎公演について述べてる部分があったなと思い出したので引用します。
文中の梅幸さん、というのはこの方のことですよね。リンク先には「歌舞伎の啓蒙には積極的」とある。
しかし、沖縄に歌舞伎公演を毎年主催するホテルがあって、コンベンションセンターでも歌舞伎をやったんですね。ここらへん、「沖縄における歌舞伎公演の歴史」みたいな内容の新書にまとめると面白そうです。誰か書いてください。おれが許す。
あ、あと上記の『歌舞伎はともだち』の2013年度改訂版もあると面白そうですね。「幕間は、歌舞伎そばと富士そばと小諸そばのどこがベスト?」という記事とか。
■コザで残虐行為展覧会
沖縄市立図書館に立ち寄るたびに、外国文学の棚からJ・G・バラードの『残虐行為展覧会』という変なタイトルの本を手に取ります。べつにこのJ・G・バラードとかいう外人が好きなわけじゃないです。
というのもこの本は工作舎の『プラネタリー・クラシクス』、というシリーズ(という呼び方が適切かどうかわからないが)の一冊として出版された本で、その背表紙の独特な配色のストライプと、星と少年のロゴが好きなのですね。
なぜ好きかというと、おれが十代だったころ、コザにこの『プラネタリー・クラシクス』のシリーズ一揃いを並べた書店があったのですね。で、土曜の午後なんぞはこの書店で、一人であるいは友人とパラパラ立ち読みするのを常としておりました。
で、プラネタリー・クラシクスは、「コザがまだまだ繁栄していた'90年代半ば、の幸せな土曜日の午後」、を思い起こさせる記号として、おれの脳にインプットされているわけです。工作舎の本なんて、ある程度は読書好きな層が集まる店じゃないと、まとまった量を扱わないじゃないですか。で、かつてはコザにもそんな品揃えの本屋があったんだなあ、と懐かしいような切ないような気分に浸れます。
──なので、プラネタリー・クラシクスのシリーズなら他の本でもいいわけですが、とりあえず目につくのが『残虐行為展覧会』の背表紙なので(なんせ字面がハデすぎるので探しやすい。笑)、沖縄市立図書館ではとりあえずこの本を手に取る、というわけです。
拙僧はいまだiPhoneなる南蛮渡来のカラクリ電話を所有しておりませんが、もしプラネタリー・クラシクスの背表紙の意匠を模したiPhoneケース、なんてのができましたら、iPhoneの購入も考えてしまうかもしれません。
先月の帰省の折り、琉球新報のテレビ欄に歌舞伎の巡業の広告が大きく出ていたり(写真を撮りそびれましたが)、コザの普久原楽器の店頭にこの巡業のポスターが貼られたりしていました(のちにこのポスターは台風で吹き飛ばされましたが)。ようするに、沖縄にカブキが来るみたいなのですね。
詳細はここに出てますが、まずチケットが高い! SS席で一万二千円て。巡業の値段じゃないですね、と云いたいところですが、沖縄までカブキを持ってくるとなるといろいろコストがかかるんでしょうね。ちなみに上記リンクでは、「県内での公演は2004年以来、9年ぶり」と記されていますが、これはたぶん松竹主催の歌舞伎が9年ぶりということのようで、'08年には文化庁の事業の一環としての公演もあったそうで、その際は沖縄本島のみならず石垣島でも公演があったらしいです。石垣島での歌舞伎公演は人類史上初らしいです。ふむ。
さて、ここでペヨトル工房(ある種の人々にいろんな感慨を抱かせる固有名詞)が'92年に出版した『歌舞伎はともだち[入門篇]』という本を見てみましょう。この本はその題の通り歌舞伎観劇の手引き書で、切符を買う列の並び方や座席の選び方はもちろん、幕間に食べる弁当についてまで細かく解説した本で(歌舞伎座裏「チョウシ屋」のコロッケパンの紹介に8ページ割いている本は全宇宙でも本書だけでしょう。ちなみに'92年の時点ですでに“B級グルメ”なる単語を使っております)、拙僧も三年前に歌舞伎を見始める時、実用的な情報の多い前半部を何度も読み返しました(さすがに情報は古くなってましたが…)。
で、この本にちょっとだけ沖縄における歌舞伎公演について述べてる部分があったなと思い出したので引用します。
──ところで沖縄はまだ歌舞伎未踏の地なんですか。
●沖縄は梅幸さんが一人で毎年行って地固めをなさいました。これはホテル主催でやっておられました。ホテルの宴会場にむこうが舞台を作ってくれて、そのかわり経費をどんどん抑えてやりましょうって。だから照明もホテルの従業員がやりますし、舞台も机並べてホテル側が作りました。こちらからは役者さんを何人かと、狂言作者と衣装さんと床山さんと、それと大道具さんが一人か二人行って上演する。そういう厳しい条件のもとで梅幸さんが中心になって地固めをしてくださって、今は沖縄コンベンションセンターという立派な劇場で公演ができるようになりました。
(上掲書27〜28ページより引用。なお聞き手・語り手双方とも名前が明示されていません。)
文中の梅幸さん、というのはこの方のことですよね。リンク先には「歌舞伎の啓蒙には積極的」とある。
しかし、沖縄に歌舞伎公演を毎年主催するホテルがあって、コンベンションセンターでも歌舞伎をやったんですね。ここらへん、「沖縄における歌舞伎公演の歴史」みたいな内容の新書にまとめると面白そうです。誰か書いてください。おれが許す。
あ、あと上記の『歌舞伎はともだち』の2013年度改訂版もあると面白そうですね。「幕間は、歌舞伎そばと富士そばと小諸そばのどこがベスト?」という記事とか。
■コザで残虐行為展覧会
沖縄市立図書館に立ち寄るたびに、外国文学の棚からJ・G・バラードの『残虐行為展覧会』という変なタイトルの本を手に取ります。べつにこのJ・G・バラードとかいう外人が好きなわけじゃないです。
というのもこの本は工作舎の『プラネタリー・クラシクス』、というシリーズ(という呼び方が適切かどうかわからないが)の一冊として出版された本で、その背表紙の独特な配色のストライプと、星と少年のロゴが好きなのですね。
なぜ好きかというと、おれが十代だったころ、コザにこの『プラネタリー・クラシクス』のシリーズ一揃いを並べた書店があったのですね。で、土曜の午後なんぞはこの書店で、一人であるいは友人とパラパラ立ち読みするのを常としておりました。
で、プラネタリー・クラシクスは、「コザがまだまだ繁栄していた'90年代半ば、の幸せな土曜日の午後」、を思い起こさせる記号として、おれの脳にインプットされているわけです。工作舎の本なんて、ある程度は読書好きな層が集まる店じゃないと、まとまった量を扱わないじゃないですか。で、かつてはコザにもそんな品揃えの本屋があったんだなあ、と懐かしいような切ないような気分に浸れます。
──なので、プラネタリー・クラシクスのシリーズなら他の本でもいいわけですが、とりあえず目につくのが『残虐行為展覧会』の背表紙なので(なんせ字面がハデすぎるので探しやすい。笑)、沖縄市立図書館ではとりあえずこの本を手に取る、というわけです。
拙僧はいまだiPhoneなる南蛮渡来のカラクリ電話を所有しておりませんが、もしプラネタリー・クラシクスの背表紙の意匠を模したiPhoneケース、なんてのができましたら、iPhoneの購入も考えてしまうかもしれません。