■クラフトワーク 赤坂公演 二日目 『放射能』 5/9 |
■さて、木曜日の晩は木挽町ではなく赤坂にまいりまして、クラフトワーク(ラルフ・ヒュッター+劇団ひまわり3名)のコンサートを見物してきました。今回の来日は、過去のアルバムを一枚ずつ日替わりでまるまる全曲(だったかな。要出典)演奏する、という趣向です。
■'00年代には、コンサートなのに舞台上にある楽器がノートPC4台(と各種コントローラー)だけ、という機材の少なさに衝撃を受けたのですが、このたびのコンサートではついにそのノートPCすらも取り払われ、メンバー各人の前には大きめの机しかありません(この机にPCとかコントローラーとかが埋め込まれているのだとは思いますが)。で、背後にスクリーンがあって、机4台とメンバー4人が並んでるだけなのにコンサートのステージとして間がもっているのがすごい。
■この日は『放射能』('75)というアルバムからの曲を演奏してました。時報だけの曲、ラジオのニュースをコラージュしただけの曲、ボコーダーでしゃべってるだけの曲、と、おおよそコンサート向きでない曲までもやってたのが面白かったです。『放射能』の中では「ラジオランド」って曲が良かった。この曲、忘れてたなー。
で、『放射能』を演奏し終わった後は、アウトバーンやらマンマシーンやらの懐メロ大会で、けっこうサービス精神旺盛にたくさんやってくれてました(→当日の曲目)。
■二点、いまに始まったことではないですが気になったことがあって。
ひとつは、バックに流れる映像が一部あんまりかっこよくなく、なんか、大学生が作ったFLASH、とか、'90年代に地方自治体が作った学校用教材ビデオのCG、の域を出ていなかったりする部分がありました。あと、ちょっと即物的なとこあるよね。「アウトバーン」でクルマのCGを出すとか。
(とはいえ、「ヨーロッパ特急」のミニマルな映像や、「Home Computer」の抽象的な模様の映像はよかった。それと、古い白黒フィルムにモーショングラフィクスをかぶせた「ツール・ド・フランス2003」のビデオはかっこよいですね。しかしこのおじさん達は、映像のクオリティに昔からムラがある。不思議だ。)
もう一点は、「ロボット」のときに出てくる、メンバーを模したロボットの映像で。上半身までしかなかった以前のロボットと違って、全身を持つロボットが出てくるんですね(これ昔からだっけ?)。でも、そのロボットが、まあリアルで不気味なんですね。「不気味の谷現象」っていうんですか。あれに当てはまってるんだと思う。以前の上半身ロボットは、まあ少々不気味ではあったものの、黒い胴体や金属の部品がむき出しでサイバーな雰囲気を出してたんだけど、いまのロボットは単に白人のおっさんがカクカク動いてるだけのようにも見えてしまう……うーん。
機材やステージングはいろいろそぎ落として徐々にミニマルな方向に向かってるのに、映像やロボットが妙に過剰な方向に向かっていて、そこらへんでなんか食い違いが起きてるのではないか、と思いました。
とはいえ、そこはクラフトワークのことですから、なにかしら目指してるとこがあるのでしょう。
■あと、客席の反応は、もちろん悪くなかったけど、超大盛り上がり!というわけではなかったです。たぶん、みんな3Dメガネで映像を鑑賞することに意識が行ってるからかもしれない。実際このコンサートは『3-D CONCERTS』と銘打たれてるので、3D映像のほうに比重を置いてるのでしょう。
そういえば前述のニュースのコラージュの時、スクリーンから客席に飛んでくるドイツ語のテロップが自分にぶつかりそうなるのでちょっとよける、という珍しい経験をしました。
■なんか文句が多いエントリになっちゃったかもしれないけど、まあ、好きだからいろいろ思うところがあるわけですよ、ってことで勘弁してください。ミニマルな舞台の上で、淡々と電子音楽を奏でる4人(ラルフ・ヒュッター+劇団いろは3名)の佇まいは、やはりかっこいいのです。
しかしこの日は「Computer Love」を聴けて良かったなー。この曲好き。
■'00年代には、コンサートなのに舞台上にある楽器がノートPC4台(と各種コントローラー)だけ、という機材の少なさに衝撃を受けたのですが、このたびのコンサートではついにそのノートPCすらも取り払われ、メンバー各人の前には大きめの机しかありません(この机にPCとかコントローラーとかが埋め込まれているのだとは思いますが)。で、背後にスクリーンがあって、机4台とメンバー4人が並んでるだけなのにコンサートのステージとして間がもっているのがすごい。
■この日は『放射能』('75)というアルバムからの曲を演奏してました。時報だけの曲、ラジオのニュースをコラージュしただけの曲、ボコーダーでしゃべってるだけの曲、と、おおよそコンサート向きでない曲までもやってたのが面白かったです。『放射能』の中では「ラジオランド」って曲が良かった。この曲、忘れてたなー。
で、『放射能』を演奏し終わった後は、アウトバーンやらマンマシーンやらの懐メロ大会で、けっこうサービス精神旺盛にたくさんやってくれてました(→当日の曲目)。
■二点、いまに始まったことではないですが気になったことがあって。
ひとつは、バックに流れる映像が一部あんまりかっこよくなく、なんか、大学生が作ったFLASH、とか、'90年代に地方自治体が作った学校用教材ビデオのCG、の域を出ていなかったりする部分がありました。あと、ちょっと即物的なとこあるよね。「アウトバーン」でクルマのCGを出すとか。
(とはいえ、「ヨーロッパ特急」のミニマルな映像や、「Home Computer」の抽象的な模様の映像はよかった。それと、古い白黒フィルムにモーショングラフィクスをかぶせた「ツール・ド・フランス2003」のビデオはかっこよいですね。しかしこのおじさん達は、映像のクオリティに昔からムラがある。不思議だ。)
もう一点は、「ロボット」のときに出てくる、メンバーを模したロボットの映像で。上半身までしかなかった以前のロボットと違って、全身を持つロボットが出てくるんですね(これ昔からだっけ?)。でも、そのロボットが、まあリアルで不気味なんですね。「不気味の谷現象」っていうんですか。あれに当てはまってるんだと思う。以前の上半身ロボットは、まあ少々不気味ではあったものの、黒い胴体や金属の部品がむき出しでサイバーな雰囲気を出してたんだけど、いまのロボットは単に白人のおっさんがカクカク動いてるだけのようにも見えてしまう……うーん。
機材やステージングはいろいろそぎ落として徐々にミニマルな方向に向かってるのに、映像やロボットが妙に過剰な方向に向かっていて、そこらへんでなんか食い違いが起きてるのではないか、と思いました。
とはいえ、そこはクラフトワークのことですから、なにかしら目指してるとこがあるのでしょう。
■あと、客席の反応は、もちろん悪くなかったけど、超大盛り上がり!というわけではなかったです。たぶん、みんな3Dメガネで映像を鑑賞することに意識が行ってるからかもしれない。実際このコンサートは『3-D CONCERTS』と銘打たれてるので、3D映像のほうに比重を置いてるのでしょう。
そういえば前述のニュースのコラージュの時、スクリーンから客席に飛んでくるドイツ語のテロップが自分にぶつかりそうなるのでちょっとよける、という珍しい経験をしました。
■なんか文句が多いエントリになっちゃったかもしれないけど、まあ、好きだからいろいろ思うところがあるわけですよ、ってことで勘弁してください。ミニマルな舞台の上で、淡々と電子音楽を奏でる4人(ラルフ・ヒュッター+劇団いろは3名)の佇まいは、やはりかっこいいのです。
しかしこの日は「Computer Love」を聴けて良かったなー。この曲好き。