■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
https://soundcloud.com/hanzo_tv/

<< ■四半世紀ほど前のCMを、なんの検索もせず資料も見ず記憶だけで書き起こす。 | 【トップページへ戻る】 | ■国立劇場 歌舞伎鑑賞教室 『俊寛』 6/9 >>

■野田岩でもなく竹葉亭でもなく


■東京県に住んでいると、夏が近づくにつれウナギが食べたくなる。食べたくなったからには食べる。

先々週土曜の午後、野田岩でも竹葉亭でもなく、銀座からちょっと離れた半ば住宅街といってもいいようなとこにある鰻屋に行ってきた。

この店に来るのはまだ二度目なのだけれども、もうけっこう気に入っていて、というのも昼夜通しで営業しているので、土曜の午後二時とか三時とかいった、おれの生活の中でかなり重要な時間帯(おれは、土曜の午後をどう心地よく過ごすか、という点に各種リソースを割いている。その原因は自分でも分からないが、分かったところでどうということもないと思う)に鰻が食べられる。しかも、この時間帯は客がほぼいない。よって、おだやかな環境で、鰻と日本酒を楽しめる。

あ、日本酒といっても、べつに普通のありふれた銘柄のである。でもそれでいい。居酒屋ならともかく食べ物屋で、日本各地からひっかき集めてきた銘酒がずらり勢揃いというのは、個人的にはあまり行儀がよくないと思う。

(あと、鰻屋のメニューでワインをちらつかせてる店は、ちょっと成金趣味なものを感じる。ほら、東京タワーのふもとの、まあいいや。)


■それはさておき、江戸切子というのか、そういうガラスの、「碧い」という漢字で表記してみたくなるような色の銚子と猪口で酒を飲む。そのうち鰻重と吸い物が運ばれてくる。鰻重を食べる。食べなくてどうする。

鰻の部位や形状など、鰻重の詳細は覚えてないので記さない。そんなものいちいちブログ用に覚えとかない。そもそも鰻重は見るものでもなくレビューするものでもなくデジカメで撮ってネットに上げるものでもなく、食べるものである。食べなくてどうする。

食べる。食べた。正直、タレはもうちょっと甘いほうが好みかな、とは思うも、もちろんそんなのは誤差の範囲内のことであって、美味しい。


■おれが世界的に高名な電子音楽家だからだろうか、食後にはメロンまで出してくれた。

──いや、たぶんフルーツも鰻重の料金に含まれてるってだけだと思うけど (゚д゚ ) (゚д゚ ) (゚д゚ )

まあそうかもしれない。とにかく、鰻と日本酒とメロンを、静かな店で静かに食べた。良い土曜の午後だった。


■たぶんインターネット中の情報を血眼になってくまなく探せば、ここより美味い店は他にもあるし、コストパフォーマンスとやらのいい店も他にもあると思う。

でも、そんなことじゃなくてね、この土曜の午後を、落ち着いた心持で過ごせることが大事であってね。


■この店は、ある日の歌舞伎見物帰りに銀座周辺をてくてく散歩していたら見つかったお店で、いつか入ってみようと思って、四月末にふと初めて入ってみたら、このように“当たり”だった。

いまどき食べログもなにも参考にせず、こういうお店を見つけることができてうれしい。西暦2012年のおれの収穫の一つ。