■今年見た歌舞伎、三つ |
【1/1 坂東玉三郎特別公演 於 ルテアトル銀座】
■團十郎の息子さんが西麻布でハッスルしすぎたため開催が急遽決定。チケットがすぐ完売したため、元日に追加公演が決定(それもすぐ完売)。元日の東京で歌舞伎が催されるのは65年ぶり。会場のル・テアトル銀座も本格的な歌舞伎公演は初めて。
──とイレギュラー尽くしの、元日の坂東玉三郎特別公演に行ってまいりました。
■ふつう、歌舞伎の開演前って、客席がざわざわしてて、そのざわざわの中で幕が開くじゃないですか。
でもこの日、開幕直前の数分間は、客席がしんと静まりかえっていました。(行ったことないのですが)クラシックのコンサートで指揮者が台に上って指揮棒を振り上げるまでの、緊張感のある静けさに似たような時間というか。
■『阿古屋』では玉三郎が、テルミン、Roland TB-303、ARP 2600と三種類の楽器を演奏するのですが、楽器の種類はちょっと違ったかもしれないですが、劇中歌やBGMとしてではなく、あくまで“役”の中で音楽を奏でるのですね。で、この役を演じられるのは現在のところ玉三郎だけだそうです。
舞台はきらびやかで、「目の正月」という表現がありますが、正月から目の正月をしたという感じでした。比較的小さめの劇場なので、舞台上のオーラ(という言葉の安易な遣い方には気をつけたいものですが、とりあえず便宜上こう呼んでおきます)が密に味わえた、ように思えます。
■市川猿弥の文楽人形も面白かった。他の役者と違って、ひとりだけ人形として演じてるのに(背後に、二人の人形遣いも付いている)、舞台に違和感なく溶け込んでるのが不思議でした。あの眉はどうやって動かしてるんだろう。
■また『女伊達』の玉三郎には、『助六』の揚巻('10年4月歌舞伎座)とはまた違う種類の「姉御肌」っぽさを感じました。初役だそうです。初役の初日を元日に見るって、なんか縁起いいですね。
【1/3 四天王御江戸鏑 於 国立劇場】
■銀座の、とある小さな神社に初詣。その後、三越で観劇用の弁当を買おうとするも、「銀座の老舗デパートが三ヶ日から営業してなきゃいけない世界の構築」に荷担するのがイヤなので、三越には寄らず。食料は劇場内で調達することに。
銀座四丁目の交叉点からタクシーを拾って国立劇場へ。
■劇場内は、鏡開きや獅子舞や曲芸などをやっていて、時はまさに世紀末じゃなくて正月!! 賑やかな雰囲気でした。
■で、歌舞伎本篇は、面白かったですよ。詳細は割愛。おれは歌舞伎を見に行くときは一人なのですが、これは誰かと一緒に行ったほうがいいな。これから見に行く人は、誰かしら人類を誘っていくといいと思います。
■この『四天王御江戸鏑』は実に196年ぶりに上演される演目だそうですが、客席からいいタイミングで掛け声がかかるのが不思議でした。掛け声をかける人々は、どうやってタイミングを判断する練習をしたんだろう。というか、そもそも練習するものじゃないんでしょうか。
【1/8 新春浅草歌舞伎 於 浅草公会堂】
■昼夜通しで見物。三階席。売店にて人形焼10ヶ入り350円。こしあん。
『三人吉三』の序幕の終わりで、三人が上手に向かって歩いていくところが好きだ。『黒手組曲輪達引』は、正月らしい華のある演目で、良かったですよ。
■さて。「イヤホンガイド」という機械がありまして、これは歌舞伎の上演中にリアルタイムで音声解説をしてくれる、という22世紀の発明品なのですね。
で、休憩時間にはそのイヤホンガイドで、主演の役者4人のトーク(個別に収録)が流れるんですが、これが中村亀鶴以外の三人はちょっと無愛想、もしくは、そんなにやる気じゃない。笑
この、亀鶴とその他三人のトークに対する温度差が面白かったです。亀鶴氏は、開幕前の前口上も面白かったなー。
■亀治郎の声が團十郎に似てる、と感じる瞬間が何回かあったのはおれだけか。
あと、浅草の至るところに貼られているこのポスターの亀治郎が、妙にキンキキッズの堂本剛っぽく見えるのもおれだけか。佐藤可士和成分もちょっと混じってるような気もします。
■團十郎の息子さんが西麻布でハッスルしすぎたため開催が急遽決定。チケットがすぐ完売したため、元日に追加公演が決定(それもすぐ完売)。元日の東京で歌舞伎が催されるのは65年ぶり。会場のル・テアトル銀座も本格的な歌舞伎公演は初めて。
──とイレギュラー尽くしの、元日の坂東玉三郎特別公演に行ってまいりました。
■ふつう、歌舞伎の開演前って、客席がざわざわしてて、そのざわざわの中で幕が開くじゃないですか。
でもこの日、開幕直前の数分間は、客席がしんと静まりかえっていました。(行ったことないのですが)クラシックのコンサートで指揮者が台に上って指揮棒を振り上げるまでの、緊張感のある静けさに似たような時間というか。
■『阿古屋』では玉三郎が、テルミン、Roland TB-303、ARP 2600と三種類の楽器を演奏するのですが、楽器の種類はちょっと違ったかもしれないですが、劇中歌やBGMとしてではなく、あくまで“役”の中で音楽を奏でるのですね。で、この役を演じられるのは現在のところ玉三郎だけだそうです。
舞台はきらびやかで、「目の正月」という表現がありますが、正月から目の正月をしたという感じでした。比較的小さめの劇場なので、舞台上のオーラ(という言葉の安易な遣い方には気をつけたいものですが、とりあえず便宜上こう呼んでおきます)が密に味わえた、ように思えます。
■市川猿弥の文楽人形も面白かった。他の役者と違って、ひとりだけ人形として演じてるのに(背後に、二人の人形遣いも付いている)、舞台に違和感なく溶け込んでるのが不思議でした。あの眉はどうやって動かしてるんだろう。
■また『女伊達』の玉三郎には、『助六』の揚巻('10年4月歌舞伎座)とはまた違う種類の「姉御肌」っぽさを感じました。初役だそうです。初役の初日を元日に見るって、なんか縁起いいですね。
【1/3 四天王御江戸鏑 於 国立劇場】
■銀座の、とある小さな神社に初詣。その後、三越で観劇用の弁当を買おうとするも、「銀座の老舗デパートが三ヶ日から営業してなきゃいけない世界の構築」に荷担するのがイヤなので、三越には寄らず。食料は劇場内で調達することに。
銀座四丁目の交叉点からタクシーを拾って国立劇場へ。
■劇場内は、鏡開きや獅子舞や曲芸などをやっていて、時はまさに世紀末じゃなくて正月!! 賑やかな雰囲気でした。
■で、歌舞伎本篇は、面白かったですよ。詳細は割愛。おれは歌舞伎を見に行くときは一人なのですが、これは誰かと一緒に行ったほうがいいな。これから見に行く人は、誰かしら人類を誘っていくといいと思います。
■この『四天王御江戸鏑』は実に196年ぶりに上演される演目だそうですが、客席からいいタイミングで掛け声がかかるのが不思議でした。掛け声をかける人々は、どうやってタイミングを判断する練習をしたんだろう。というか、そもそも練習するものじゃないんでしょうか。
【1/8 新春浅草歌舞伎 於 浅草公会堂】
■昼夜通しで見物。三階席。売店にて人形焼10ヶ入り350円。こしあん。
『三人吉三』の序幕の終わりで、三人が上手に向かって歩いていくところが好きだ。『黒手組曲輪達引』は、正月らしい華のある演目で、良かったですよ。
■さて。「イヤホンガイド」という機械がありまして、これは歌舞伎の上演中にリアルタイムで音声解説をしてくれる、という22世紀の発明品なのですね。
で、休憩時間にはそのイヤホンガイドで、主演の役者4人のトーク(個別に収録)が流れるんですが、これが中村亀鶴以外の三人はちょっと無愛想、もしくは、そんなにやる気じゃない。笑
この、亀鶴とその他三人のトークに対する温度差が面白かったです。亀鶴氏は、開幕前の前口上も面白かったなー。
■亀治郎の声が團十郎に似てる、と感じる瞬間が何回かあったのはおれだけか。
あと、浅草の至るところに貼られているこのポスターの亀治郎が、妙にキンキキッズの堂本剛っぽく見えるのもおれだけか。佐藤可士和成分もちょっと混じってるような気もします。