■京半蔵商店(三)。六分間のビュッフェ |
(東都のにわか歌舞伎ファン、南座の顔見世を見物しに行って、そして蛇足のもう一泊の日記)
【十二月十一日土曜日 朝食】
■朝六時半ごろ、Wホテルからテクテク歩いて法然院へ。この“コンパクトさ”がいい。
ホテルまではタクシーで戻る。が、法然院までの道のりは、わりかし普通な住宅街なので、行きもタクシーでよかったかもしれない。
■ホテルのロビーで、三歳ぐらいの子供が「すってきなすってきなクーリスーマスー♪ すってきなすってきなクーリースーマスー♪ (´・∀・`)」という謎の歌を唄ってるのを聞き、日本人はこうやって子供のころからクリスマスがなんかステキなものだと刷り込まれて生きていかざるを得ないんだなー、と考えてしまう。おれもカソリック系の幼稚園に通ってたのですが。
■その後、ホテル内のレストラン「A」で朝食ビュッフェ。
なぜルームサービスではなくレストランで朝食かというと、このホテルに二泊の予約を入れたら、おまけとして自動的にこの朝食ビュッフェの券が一枚付いてきたんである。せっかく付いてきた券をないがしろにするのももったいないので、素直に利用することにしたわけです。
■午前八時、Aレストランは混んでた。店の前にも五組くらいの客が並んでいる(もうこの時点でイヤな予感がしますね)。とりあえず列に並ぶ。
150秒ほど並んだ後で、ウエイトレスがおれを席まで案内してくれたのだが、その席というのがですね、
入り口からすぐの柱のカゲ
という、かなり客をなめきった席だったのですね。人によっては、侮辱だと捉える人もいるだろう。
いやいやいや、店内は混んでたわけだし、こういう席に案内されても仕方ないかもしれない。ウエイトレスも別に悪気があったわけではないかもしれない。
というか、なぜこんなところにまで椅子とテーブルを置こうと思ったのか。そもそもよく分からない。
■こんな席には座りたくないので、
「ここはちょっと……」
みたいな感じで言葉を濁して渋ってみせたのですが、でも、敵もさるもの。ウエイトレスは、
「ええ、ですけど、こちらのお席が明るいですので」
というレスポンスをよこしてきました。はあ…、明るい、ですか。ふーん…。
■ウエイトレスは、付け足すように
「多少暗くはありますけど、奥の席もご案内できますが」
ともおっしゃってましたが、まあ混雑する時間帯だし、ウエイトレスにも事情はあるだろう、と慮ってしまい、この席にすることにしました。この、相手の立場を慮りすぎるのが、おれの悪い癖ですね。そこまで自分を殺さなくてもよいのに。
■で、ビュッフェ形式なので料理を取りに行った。
店内がクソ混んでるのは仕方ないとしても、このAレストランは変に折れ曲がった形をしていて、動線が異常に効率悪い。ビュッフェには向いてないと思う。しかも、おれの席はほぼ入り口にあるから、料理のあるところまでかなりの距離を歩かなければならない。それはまあいい。
■とりあえず、おれは店の奥の和食が置いてあるスペースまで行き、トレイを手に取り、茶碗に玄米をよそい、お椀に味噌汁を注ぎました。で、トレイに載せた玄米と味噌汁を片手に、他のおかずを取ろうと手を伸ばしましt──
ここで大失態。
味噌汁のお椀をひっくり返してしまいました。
ああ恥ずかしい。('A`)
テーブルも、おれの着てたスーツも、味噌汁でびしょびしょ。あーあー。(;'A`)
十数秒後、ウエイターがテーブル上の被害地域一帯を片づけてくれ、おれにも布巾を手渡してくれた。お仕事増やしてすみません…。
■で、改めて玄米と味噌汁を準備して、先ほどの屈辱的なまでに遠い遠い席まで運んできてはみたものの、味噌汁飲んで玄米を半分ほど胃の中に入れたところで、この席のひどすぎるポジションと、自業自得ではあるが味噌汁をこぼした件との相乗効果で、もういいかげん馬鹿らしくなって席を立つことにした。
近くにいた先ほどのウエイトレスに、
「こんな席で食べてもあんまり美味しくないです」と率直な感想を申し上げてAレストランを退場。
店を入ってから出るまで、正確に計ったわけではないが、だいたい6分間くらい。
ホテルの朝食ビュッフェをわずか6分で出てきたのは、さすがに初めてだ。
■部屋に戻ってもイライラしてたので、たまたま手近にあったルームサービスのメニューを腹立ちまぎれに床に叩きつけたら、そのメニューはバインダー式で、リングが外れて中身のページが全部床に飛び散った。
でもなっ、よく聞け! おれがシド・ヴィシャスだったら、メニューどころか、この部屋まるごと破壊してるっつーの!!!!
テレビに延長コードをつなげ、電源をオンにしたままテレビをプールに放り込んで爆発させてるっつーの!!!!(←あ、これはまた別のミュージシャンの話だった)
Wホテルの従業員は、おれがシド・ヴィシャスじゃなかったことを京都中のすべての神仏に感謝してほしい(何を書いてるんですか、おれは)。
で、ルームサービスのメニューは、飛び散った中身をかき集め、ページを揃え、ちゃんと元に戻しておきました。我ながら行儀が良すぎる……。('A`)
【十二月十一日土曜日 朝食】
■朝六時半ごろ、Wホテルからテクテク歩いて法然院へ。この“コンパクトさ”がいい。
ホテルまではタクシーで戻る。が、法然院までの道のりは、わりかし普通な住宅街なので、行きもタクシーでよかったかもしれない。
■ホテルのロビーで、三歳ぐらいの子供が「すってきなすってきなクーリスーマスー♪ すってきなすってきなクーリースーマスー♪ (´・∀・`)」という謎の歌を唄ってるのを聞き、日本人はこうやって子供のころからクリスマスがなんかステキなものだと刷り込まれて生きていかざるを得ないんだなー、と考えてしまう。おれもカソリック系の幼稚園に通ってたのですが。
■その後、ホテル内のレストラン「A」で朝食ビュッフェ。
なぜルームサービスではなくレストランで朝食かというと、このホテルに二泊の予約を入れたら、おまけとして自動的にこの朝食ビュッフェの券が一枚付いてきたんである。せっかく付いてきた券をないがしろにするのももったいないので、素直に利用することにしたわけです。
■午前八時、Aレストランは混んでた。店の前にも五組くらいの客が並んでいる(もうこの時点でイヤな予感がしますね)。とりあえず列に並ぶ。
150秒ほど並んだ後で、ウエイトレスがおれを席まで案内してくれたのだが、その席というのがですね、
入り口からすぐの柱のカゲ
という、かなり客をなめきった席だったのですね。人によっては、侮辱だと捉える人もいるだろう。
いやいやいや、店内は混んでたわけだし、こういう席に案内されても仕方ないかもしれない。ウエイトレスも別に悪気があったわけではないかもしれない。
というか、なぜこんなところにまで椅子とテーブルを置こうと思ったのか。そもそもよく分からない。
■こんな席には座りたくないので、
「ここはちょっと……」
みたいな感じで言葉を濁して渋ってみせたのですが、でも、敵もさるもの。ウエイトレスは、
「ええ、ですけど、こちらのお席が明るいですので」
というレスポンスをよこしてきました。はあ…、明るい、ですか。ふーん…。
■ウエイトレスは、付け足すように
「多少暗くはありますけど、奥の席もご案内できますが」
ともおっしゃってましたが、まあ混雑する時間帯だし、ウエイトレスにも事情はあるだろう、と慮ってしまい、この席にすることにしました。この、相手の立場を慮りすぎるのが、おれの悪い癖ですね。そこまで自分を殺さなくてもよいのに。
■で、ビュッフェ形式なので料理を取りに行った。
店内がクソ混んでるのは仕方ないとしても、このAレストランは変に折れ曲がった形をしていて、動線が異常に効率悪い。ビュッフェには向いてないと思う。しかも、おれの席はほぼ入り口にあるから、料理のあるところまでかなりの距離を歩かなければならない。それはまあいい。
■とりあえず、おれは店の奥の和食が置いてあるスペースまで行き、トレイを手に取り、茶碗に玄米をよそい、お椀に味噌汁を注ぎました。で、トレイに載せた玄米と味噌汁を片手に、他のおかずを取ろうと手を伸ばしましt──
ここで大失態。
味噌汁のお椀をひっくり返してしまいました。
ああ恥ずかしい。('A`)
テーブルも、おれの着てたスーツも、味噌汁でびしょびしょ。あーあー。(;'A`)
十数秒後、ウエイターがテーブル上の被害地域一帯を片づけてくれ、おれにも布巾を手渡してくれた。お仕事増やしてすみません…。
■で、改めて玄米と味噌汁を準備して、先ほどの屈辱的なまでに遠い遠い席まで運んできてはみたものの、味噌汁飲んで玄米を半分ほど胃の中に入れたところで、この席のひどすぎるポジションと、自業自得ではあるが味噌汁をこぼした件との相乗効果で、もういいかげん馬鹿らしくなって席を立つことにした。
近くにいた先ほどのウエイトレスに、
「こんな席で食べてもあんまり美味しくないです」と率直な感想を申し上げてAレストランを退場。
店を入ってから出るまで、正確に計ったわけではないが、だいたい6分間くらい。
ホテルの朝食ビュッフェをわずか6分で出てきたのは、さすがに初めてだ。
■部屋に戻ってもイライラしてたので、たまたま手近にあったルームサービスのメニューを腹立ちまぎれに床に叩きつけたら、そのメニューはバインダー式で、リングが外れて中身のページが全部床に飛び散った。
でもなっ、よく聞け! おれがシド・ヴィシャスだったら、メニューどころか、この部屋まるごと破壊してるっつーの!!!!
テレビに延長コードをつなげ、電源をオンにしたままテレビをプールに放り込んで爆発させてるっつーの!!!!(←あ、これはまた別のミュージシャンの話だった)
Wホテルの従業員は、おれがシド・ヴィシャスじゃなかったことを京都中のすべての神仏に感謝してほしい(何を書いてるんですか、おれは)。
で、ルームサービスのメニューは、飛び散った中身をかき集め、ページを揃え、ちゃんと元に戻しておきました。我ながら行儀が良すぎる……。('A`)