■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
https://soundcloud.com/hanzo_tv/

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■京半蔵商店(二)。南座桟敷席、うまいうな重、まずいにしんそば、先斗町で飲まない


(東都のにわか歌舞伎ファン、南座の顔見世を見物しに行って、さてそれからの日記)

【十二月十日金曜日】
■朝食は、前の晩に発注しておいたルームサービス。

『ほぼ日』のこの記事を読んで、初めてルームサービスで朝食を摂る気になったんですが、たしかに良いですね。浴衣のままで食事できるし、いちいち着替えてレストランまで降りるの面倒だし、もう食べ放題がうれしい歳でもないし。

いわゆる朝食ビュッフェよりも量こそ少ないものの、精神的なあれが得られるので、けっきょく総合的な満足度も高くなる。

正直、ホテルの朝のレストランって、下品な中年男女の群れに侵略されてたりすることもあるからねー。


■で、Wホテルの玄関からタクシーで南座まで。運転手は不機嫌そうだった。Wホテルから南座までという距離がお気に召さなかったのかもしれない。すいません……っておれが謝ることじゃないよね、これ。


■南座近くのam/pmでフリスクとレッドブル(※酒代わり。酒を飲むと眠くなるので)を調達して、南座へ。今日は桟敷席。二万七千円。うん、二万七千円。二回云っといた。

で、桟敷席で気づいた点が二つ。一つ目、食事のメニューがない(つまり、幕間に食事を運んでくれない)。二つ目には、お茶がない。歌舞伎座にも新橋演舞場にも、メニューとお茶があったのに、南座にはなかった。

ので、いったん南座を出て、近所にあった鰻屋でうな重を発注し、南座の中の売店でお茶を買った。南座のお茶は、歌舞伎座でおなじみだった“もみだし茶”。実に八ヶ月ぶりの再会。


■で、開演。舞台上のあれやこれやは割愛。『阿国歌舞伎夢華』の、一同が花道で踊るとこがとても良かった。

途中、休憩時間に南座を出て、鰻屋へうな重を受け取りに行く。席に戻って食する。うまい。西麻布で殴られた人がCMに出てくるメーカーのお茶のペットボトルがついて3250円。サイズもちょうどいい。これは当たりでした。ペロッと平らげる。


■で、終演。南座を出る。しばらく向かいの通りから、南座の姿をボーっと眺めていると、「妙なお願いですが…」と、おばさま二人組みに南座をバックに写真を撮ってくれるよう頼まれる。二枚写してさしあげる。


■その後、フラフラと散歩。知恩院のあたりから、骨董屋や美術屋が並ぶ通りを歩く。

引き続きフラフラ散歩して、寛永堂というお菓子屋へ入る(京都市内にいくつかあるが、三条の鴨川沿いのスタバの近くの)。で、『まろのおみた』というお菓子を買う(うまいのです)。が、店員のおばさんがなんか別件で忙しかったのかどうかはしらんが、接客が自動販売機以下のレベル。感じ悪い。てめーなんかさっさとパリのコンコルド広場のギロチンの露と消えちゃえよババア!!!!!

それはさておき、引き続き散歩。先斗町を南下していくのが楽しくて、二回も歩いてしまう。おれは、先斗町の店に入ったことはない。「先斗町で飲む」というのは人生におけるちょっとした目標であるけども、このごろは「先斗町で飲まない」のが大事なような気がしてきた。憧れは憧れのままとっておくほうが良いというか。せっかく良い感じに育ててきた“京都幻想”が失われるのではないかというか。


■その後、某店で京都名物にしんそばを食べたのですが、えー、美味しくなかった。銀座の某カツカレーと同じで、発祥の地だからといって美味しいものを出してくれるとは限らないらしい。こういう立ち食い以下の蕎麦で1200円を取るのは泥棒の一種ですね、とまでは云わないけど、まずいもんはまずい。そば茹で過ぎ。そしてスープがぬるい…。お店のおばちゃんはイイ人だったけど、この程度の商売で食っていけたら(一等地だしねえ)、そりゃイイ人にもなるよな。

しっかし、なーにが総本家だよ。あ、まずいにしんそばの総本家ってことですね、わかります。

(いま、この店のサイトを見たら、1841年(天保12年)創業と書いてあった。天保年間からこんなまずいそばを出して平気な神経でいられるんですね! さすが老舗!)


■美味しくないにしんそばを堪能したあと、Wホテルまでタクシーで戻ることにする。タクシー代を節約しようと思ったわけでもないが、タラタラとホテル方面を目指して歩いてるうちに、当のWホテルに着いてしまう。

テレビなんぞ見つつ、先ほどの『まろのおみた』を食べる。うまいんだよなー、悔しいことに。


■夜の八時半ごろ、お酒がほしくなったんだけど、この時はどういうわけかルームサービスを頼む気にはなれず、財布だけを持ってホテル近所の酒屋を探すことに。

……が、京都にくわしい方はご存知でしょうが、Wホテルの周りって、ほとんどなんにも無いんですね、良くも悪くも。

で、それっぽい酒屋を探してテクテク歩いてるうちに、「酒のディスカウントストア」みたいなのを発見するものの、これはちょっと入る気になれなくて、引き続きテクテク歩いてたら、また三条の鴨川沿いスタバの方まで来てしまう…。で、ついでだから本日三回目となる先斗町南下を試みるも、寒いので(※あくまで「ホテルの近所の酒屋に酒を買いに行く」ぐらいの感覚だったので、薄着)、途中で断念。分かったことは、男一人が手ぶらで繁華街を歩いてるのはちょっと変、ということです。ほっとけ。


■しょうがないので先ほどの「酒のディスカウントストア」みたいなところで素直に日本酒を一合買って、Wホテルまで歩いて戻る。日本酒一合のために、往復で約2kmの散歩となってしまいました。寒かった。疲れた(なぜタクシーに乗らなかったんだろう)。


■で、部屋に戻ったところで、このホテルにもバーがあったことを思い出し、行ってみることに。

しかし、行ってみたら、なんかオヤジ達が談笑する声が響いてきたので、妙な予感がしたので、バーは止めにしといた。

東京じゃない都市のホテルのバーは、単なる「披露宴帰りのオヤジ専用洋風居酒屋」と化してることがたまにあり(東京にもそんなとこはありますが)、そういう店でカバーチャージ950円、ウイスキー一杯1500円を払うのはあまり楽しくないので。


■けっきょく、部屋に戻って一人で大人しくテレビを見ながら、買ってきた日本酒を飲むことに。

酒は美味しいのだけれど(『桃の滴』という銘柄でした)、南座を出てからずっとアホな時間と体力と日本円の遣いかたをしてるなー、という思いがぬぐえず。


■気がついたら、寝ていた。


■本日の教訓。旅先では、ルームサービスとタクシーは素直に利用すること。